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武士道・一日一話
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【武士道・一日一話】 No.1
配信日:2009年06月05日
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武士道・一日一話
2009.6.5 No.1
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武士道。それは日本人が本来持っている立派な人になるために必要なマナー。
私たちが生きていくうえで必要な振る舞いや責任について考えるためにため、
そして美しく、気高く生きるために、古の人たちの言葉を通して、私たちの心
をもう一度見つめなおす機会を持ちたいと思っております。
《おもな内容》・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.【今日の言葉】 「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」
2.【出典紹介】 「葉隠」・「葉隠入門」
3.【編集後記】
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【今日の言葉】
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●「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」
武士道といふは、死ぬ事と見付けたり。二つ二つの場にて、早く死ぬはうに片
付くばかりなり。死に仔細なし。胸すわつて進むなり。図にあたらぬは犬死など
といふ事は、上方風のうち上りたる武道なるべし。二つ二つの場にて、図に当る
ことのわかることは、及ばざることなり。我人、生くる方がすきなり。多分すき
の方に理が付くべし。若し図にはづれて生きたらば、腰抜けなり。この境危ふき
なり。図にはづれて死にたらば、犬死気違なり。恥にはならず。これが武道に丈
夫なり。毎朝毎夕、改めては死に改めては死に、常住死身になりて居るときは、
武道に自由を得、一生越度なく、家職を仕果すべきなり。
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【要旨】
武士道の本質は、死ぬことだと知った。つまり生死の二つのうち、いずれをと
るかといえば、早く死ぬほうを選ぶということにすぎない。これといって面倒な
ことはないのだ。腹を据えて、余計なことは考えず、邁進するだけである。“事
を貫徹しないうちに死ねば犬死だ”などというのは、せいぜい上方ふうの思い上
がった打算的武士道といえる。
とにかく、二者択一を迫られたとき、絶対に正しいほうを選ぶということは大
変に難しい。人は誰でも、死ぬよりは生きるほうがよいに決まっている。となれ
ば、多かれ少なかれ、生きるほうに理屈が多くつくことになるのは当然のことだ。
生きるほうを選んだとして、それがもし失敗に終わってなお生きているとすれば、
腰抜けとそしられるだけだろう。この辺が難しいところだ。
ところが、死を選んでさえいれば、事を仕損じて死んだとしても、それは犬死、
気違いだとそしられようと、恥にはならない。これがこれが、つまりは武士道の
本質なのだ。とにかく、武士道をきわめるためには、朝夕くり返し死を覚悟する
ことが必要なのである。常に死を覚悟しているときは、武士道が自分のものとな
り、一生誤りなくご奉仕し尽くすことができようというものだ。
*「葉隠入門」(三島由紀夫/新潮文庫/1983)より
「葉隠」名言抄(笠原伸夫訳)を引用、一部改訂
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【私見】
「武士道といふは、死ぬことと見付けたり」という過激な書き出しから、いつ
の間にか「武士道=潔く死を選ぶこと」というニュアンスに曲解されている部分
があります。しかし、真意は、武士道ということは死を意識して生きるという事
であると思います。人間は生きていると色々な欲等があるので、いざという時
(重大な決断を迫られた時など)、私欲にとらわれて判断を誤ることがあります。
それを防ぐ為にはどうしたらよいかを考える、それが死を意識する事であります。
人間は死んでしまえば、一切の欲望から解放されます。したがって死を意識した
行動をすれば、欲にとわれることなく、判断を誤ることを防ぐことができるとい
うことです。
武士道とは、死ぬことではなく、私欲を捨てるということです。そして、私欲
を捨てて行動できるような人物こそが、武士としての理想像であるといえます。
これが、「武士道といふは死ぬことと見付けたり」の真意です。
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【出典紹介】
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●「葉隠」(はがくれ)
江戸時代中期(1716年ごろ)に出された肥前国鍋島藩藩士、山本常朝の武士と
しての心得について見解を「武士道」という用語で説明した言葉を田代陣基が筆
録したものです。
●「葉隠入門」(三島由紀夫/新潮文庫/1983)
「葉隠」を“わたしのただ一冊の本”と心酔していた三島由紀夫が現代人に書
いた入門書です。彼の持論もありますが、「葉隠」の闊達な武士道精神を今日に
よみがえらせ、現代という乱世に生きる私たちに“常住坐臥”の心構えを説いて
います。
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【編集後記】
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私が気に入るような「武士道」に関するメールマガジンがなかったので、自分
の勉強を兼ねて発行させていただきました。これからの日本はどうなってしまう
のか?日本人としての誇りや美意識はどこへ行ってしまったのか?そのようなこ
とをを見直す機会を提供することを目指していこうと思います。しかしながら、
「武士道」は曲解すると恐ろしい考え方でもあります。アメリカの作家、スコッ
ト・フィッツジェラルドは、「一流の知性といえるかどうかは、二つの相反する
考え方を同時に受け入れながら、それぞれの機能を発揮させる能力があるかどう
かで判断される」と述べています。この言葉も心に留めて俯瞰したものの見方を
できるようにしたいものです。
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【武士道・一日一話】
発行者:菅野 康典 (武士道勉強家)
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