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中国株投資レッスン
発行者
田代尚機の公式ホームページ※メルマガ内容は省略されています。もっと詳しく見る
上海総合指数、2017年末は3800ポイント?
配信日:2016年12月28日
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2016年12月28日 第454号
「中国株投資レッスン」
TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
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目次
1.12月28日(水)20:00〜、オンラインセミナーのお知らせ!!
2. 上海総合指数、2017年末は3800ポイント?
3.『中国株二季報 2017年春号』の販売開始!!
1. 12月28日(水)20:00〜、オンラインセミナーのお知らせ
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2.上海総合指数、2017年末は3800ポイント?
来年の本土市場はどうなるのだろうか?
本土のほとんどの投資家は「景気が良くなる見通しがあれば株を買い、
悪くなるようなら株を売る」といったような考え方をしてくれない。主観を
排し、「株は上がり始めたから買い、下がり始めたから売る」といった行動を
取る人が多い。
また、いろいろな方面で当局の介入が多い。だから、ほとんどの投資家が
当局の姿勢を注視しながら株取引を行っている。
当局は資本市場の健全な発展を望んでいる。バブルを発生させかねない
投機行為、違法行為を厳しく取り締まる一方で、安定した相場形成が
なされるよう投資家構造を多様化させようとしている。
良くも悪くも当局の政策が株価の方向を決めるといって良いだろう。
今年の相場を振り返ってみると、当局の政策が株式市場にどのような形で
影響したのかよくわかる。
昨年の上海総合指数は年初に急落。その後、急落分を少しずつ取り戻す
といった相場であった。
年初来高値は、今年最初の取引日である1月4日の寄付き直後に
記録した3538.69ポイント。また、最安値は1月27日の安値2638.30ポイント
である(ただし、12月23日現在)。
わずか、17営業日で1年分の変動幅を記録している。出来高合計を見る限り、
機関投資家も含め、多くの投資家が逃げきれなかったはずである。ここを
上手く切り抜けられたかどうかで今年の投資収益は大きく差が
つきそうである。
急落のきっかけは1月4日から始まったサーキットブレーカー制度である
(ただし、導入されたのはわずか4日間だけで、1月8日には運用停止と
なっている)。
サーキットブレーカー制度とは、急激に株価が変動した際に取引を自動的に
止める制度である。まず、上海深セン300指数(CSI300)が5%変動した
場合、上海、深セン市場の全銘柄の取引を15分間停止する。再開後、7%
変動した場合、その日の取引を停止するといったシステムである。
この制度導入の目的は株価が急変した際、投資家に冷静になる時間を与え、
株価を安定させることにある。しかし、こうした効果はアメリカでの
話であり、中国においては安定させるどころか大きく不安定化させて
しまう。中国の投資家構造はアメリカとは大きく異なるからである。
アメリカには高速取引を繰り返すヘッジファンドからバイ&ホールド型の
バリュー投資を行う機関投資家まで幅広い層の投資家が存在する。“一方が
売れば一方が買う”、あるいは“下がれば買い、上がれば売る”といった
行動をする投資家が十分に存在する。
しかし、中国の投資家はそうではない。本土市場では多数を占める
個人投資家や個人が預ける資金を運用する私募ファンド、公募ファンドの
運用者たちは一様に短期志向である。ファンダメンタルズを軽視し、
テクニカル分析、需給や材料を重視する。また、“下がれば売り、
上がれば買う”。本土市場は本質的に不安定である。
上海深セン300指数の値動きは早く、わずか5%で取引が停止してしまう
ようでは、損切、見切り売りの警戒レベルを引き上げざるを得ない。また、
15分の取引停止は投資家を落ち着かせるどころか、異常心理が拡散するのに
時間を与えてしまう。それに後2%下がったらその日、取引できなくなる
のでは、誰でも売りたくなるのは当然である。
昨年10月以降、相場は急落からの自律回復過程にあり、12月下旬はそうした
戻り相場が一段落しつつあった。その上に、いくつか悪材料があった。
(1)IPO制度がこれから登録制に変わり、需給悪化が起きそうなこと
(2)7月に行った大株主、企業の取締役、監査役、高級幹部に対する
売買禁止措置の期限が到来し、大量の売り物が出てきそうなこと
(3)人民元安が進んでおり、流動性が不足しそうなこと
(4)季節要因として、春節前は例年、流動性が不足すること
などである。
少し整理してまとめると、急落後の自律回復が一段落したところに
いくつかの悪材料が発生した。そのタイミングで本土市場では株価形成を
不安定にしかねないサーキットブレーカー制度が導入されたことで、
大惨事となったのである。
一旦下げ止まった後は、徐々に投資家心理は回復、上げ下げはあった
ものの、緩やかな上昇トレンドが形成されている。
そうした中で、当局は下値で買ってくれて、その後長期保有してくれそうな
保険会社や、長期投資目的の事業会社などに対して、規制、取り締まりを
緩くしたり、社会保障資金の株式市場参入を推し進めたり、
深港通サービスを開通させ海外からの資金を導入したりするなど、
資本市場改革の名のもとに、株価下支えを行った。それが底割れを防ぎ、
相場の安定につながった・・・。
このように当局の関与による相場への影響が大きい以上、来年の相場を
予想するためには、まず、当局が何をしようとしているのかを考える必要が
あるだろう。
足元では、機関投資家の投資行動について、監督管理を強化せざるを得ない
状況となっている。
これについては、投資家側に問題がある。
保険会社は、当局による株式投資に対する規制緩和や監督管理の軟化などを
商機と考え、生命保険商品ではありながら、保証利回りの高い商品を
積極的に販売した。万能保険(ユニバーサル保険)といった「生命保険に
投資信託を組み合わせたような商品」を各社こぞって売り出した。
もっとも、これだけで終われば、当局が熱望する長期投資家の育成に
つながる良い話である。問題は、一部の生命保険会社がこの運用資産で以て
親会社の敵対的買収や、株価を釣り上げて高値で売るといった投機の
道具としたのである。こうした乱暴な経営を行う経営者に生命保険事業を
やらせてしまったこと、早い段階で抑制できなかったことは、当局の
責任である。
証券会社にも問題がある。あくまで社員(国海証券)の不祥事ではあるが、
社印を偽造し、大きなレバレッジをかけた上での債券取引を行ったことが
発覚した。しかし、これは特定の証券会社による不祥事というよりも、
現先取引を使って大きなレバレッジをかけて行われる国債取引が
横行しているという事実が改めて浮き彫りにされたことに重大な意味がある。
証券会社においては、2014年後半から2015年前半にかけての大相場で、
当局が監督管理を強化したにもかかわらず、リスク管理を怠り、
顧客に対する信用取引を急拡大させてしまったといった経緯もある。
銀行はいくら当局が監督管理を厳しくしようとも、相変わらず理財商品で
荒稼ぎしようといった動きが止まらない。理財商品とは投資信託商品である。
金利の自由化に加え、景気低迷による資金需要の鈍化、
インベストメントバンカーとしての技量の不足などから、中堅以下の
銀行では経営環境が厳しくなっている。
そうした中で、安易な高利回り商品を開発、手数料ビジネスを拡大しよう
としている。高利回りの追求は高リスクの運用を増やすことになる。
不動産業者向けの貸出や与信能力の低い住宅購入希望者に対するリスクを
度外視した貸出を行ったり、現先を使った国債取引や、短期的な利益を
追求するような株式投機を行っている機関もある。コンプライアンス上、
問題があるようなオペレーションをするところが多いということである。
自由化、規制緩和にはこうした大きな弱点がある。監督管理のレベルが
実態に追いつかないのである。
今年も、“自由化⇒金融機関の暴走⇒監督管理の強化⇒金融機関の
業績失速⇒自由化・・・”といったサイクルの中で、株価のその動き
にそって変動しそうである・・・。
来年の予想について。
少し厳しく書きすぎた感がある。ここで示した問題は今に始まったこと
ではない。以前からずっと存在する問題である。また、政治的な要因から
来年は、当局の株価下落に対する寛容度が小さくなるとみている。
上海総合指数は年内、或いは1月上旬には底打ちすると予想している。
さらに、当局はその後も金融機関の暴走を何とか食い止められるといった
前提に立ち、来年の上海総合指数の動きを予想すれば以下の通りである。
2017年2月に3300ポイント、7月に3600ポイント、12月には3800ポイントに
達すると予想する(ここで示したのは天井で、これらの間では一旦、
押し目形成)。
一応、具体的な数字を示してみたが、足元の押し目がどこまで深いのか
によって1月の起点が違ってくる。
どんな結果になろうとも、当局の政策、監督管理がすべてのカギを
握っているといった状況に変わりはない。
(12月24日作成、有料メルマガから一部抜粋)。
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平成24年より投資顧問業(助言)を取得。現在、著者自身が実践してきた株で
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