ダメ上司を見習え！ 3分で分かる仕事が楽しくなる秘訣

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「もっと頑張れ」　逆に頑張れなくしてしまう上司

配信日：2010年11月08日

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前回は、慈善活動をバカにするダメ上司物語でした。

物語では寄付をする外村が描かれていました。
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さて、今回はどのような上司が登場するでしょうか？


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◇　ダメ上司を見習え！　３分で分かる仕事が楽しくなる秘訣　第73回
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このメルマガは上司と部下がおりなす物語を紹介します。

主人公である外村勝之が、様々な企業で働き、様々な上司と出会います。
いくつもの出逢いから外村は、自分が成長するためのヒントを得ていきます。

外村を支えるのは澤田康介。
澤田は外村と同じ立場、異なる立場にたって外村を支えていきます。

この２人が出会う上司は、良い面も悪い面も持った上司たちです。

この上司たちとのやりとりから

□部下から見た問題点
□部下として今どうすべきか
□自分が上司になった場合はどうしたらいいのか

の３つを学ぶことにします。


注意して頂きたいことがあります。

このメルマガは上司をバカにし、あざ笑うためのものではなく
上司を反面教師とし、将来の成長につなげるための物語であることです。



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◇　ケース：「もっと頑張れ」　逆に頑張れなくしてしまう上司
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登場人物　
上司A（永井課長）
部下A（外村）
部下B（澤田）
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私は1年前に今の会社に入社した。
今年も新入社員が採用され、私の部署には、1名が配属された。
私の初めての後輩ということもあり、何だか、ワクワクした気持ちになった。

私の会社は、大手食品メーカーである。
私の部署は品質保証部門で、専用機器を用いて食料品の微生物検査や、
科学分析を行うのである。いわゆる研究職である。


新入社員が配属される日、私は朝からソワソワしていた。


永井：「どうした？　新入社員が来るのは今日の午後からだぞ。
仕事に集中していないように見えるが？　やる気がないのなら帰るか？」

外村：「ちょっと、課長、いじめないで下さいよ。
課長じゃないですか。僕に新入社員の面倒を見させようとしたのは！」

永井：「面倒を見るっていっても、一番年齢が近いから、ち
ょっとした世話をしてやってくれってことだぞ。席を隣にするつもりだからよろしくな。
もちろん、指導は私がするから」

外村：「分かっていますよ。初めての後輩なんですから、そりゃ緊張しますよ」

永井：「ほう〜。外村君でも緊張することはあるのか？　
去年を思い出すよ。年上の先輩だらけの中に、一人ポツンっと入れられたが、
まぁ、先輩を敬わない厚かましい態度だったな」

外村：「今は俺の話は関係ないでしょ。それで、どんな子が来るんですか？」

永井：「内緒。楽しみだな。今年も外村君のような子が来てくれるといいな」


私の部署には、私よりも10ほど年齢が上の先輩が多い。
「若いやつ」は私だけのため、自分と同年代の後輩が来てくれることが楽しみでもあった。
また、世代交代をしていくという会社の流れがあるため、自然と新人は期待されていた。


食堂で昼食を終えたあと、すぐに新人がやってきた。
一通りの挨拶を済ませたあと、私の隣の席に通された。


澤田：「今日から配属になりました澤田康介です。よろしくお願いします」

外村：「僕は外村勝之です。よろしくお願いします。僕は去年入社して、
今は2年目。多分、年齢は一つ上だと思うよ」

澤田：「あ、でも、僕は大学入試で一浪しているから・・・」

外村：「そうなの？　じゃあ、タメじゃん。よろしく。細かいことは全部、僕に聞いて下さい」

澤田：「はい。よろしくお願いします」


私たちはすぐに仲良くなった。

しかし、それが澤田さんにとって、悪い影響となってしまった。

私は、どちらかと言えば、上司に厳しく指導されることや、
いじめみたいなことなど、辛いことがあっても、ノホホンとしていられる。
そのため、上司は私のことを、楽しそうに、そして、イビりながら指導してくれる。

しかし、他の人にとったらこれは辛いことかもしれない。

澤田さんが入社して約半年がたった。


永井：「澤田君、まだ出来ないのか？」

澤田：「はい。すいません」


澤田さんは、はっきりいって上司の指導についていけていなかった。
当時、私もついていけていなかったが、何とか誤魔化しやってきた。
しかし、澤田さんは正直者のためか、そういうことはしない。


永井：「澤田君はどうだ？　何か相談を受けているか？」

外村：「いえ・・・」

永井：「ちょっと打たれ弱いところがあるな。
外村君なら、受け止められることが、澤田君には難しいようだ」

外村：「ちょっと、僕は異質ですから」

永井：「おい、別に褒めていないぞ。調子乗るな」

外村：「すんませーん。ちょっと優しく指導してみてはどうですか？」

永井：「そうなんだが、ここは学校じゃないから、成長や結果は求められる。
会社としても期待はあるし、厳しくしないといけないんだよ」


上司が澤田さんに対して期待していることは私にも伝わってきた。
ただ、指導の方法が悪いのか、澤田さんの能力がないのかが分からなかったが、
今のままでは澤田さんにとってよくないことを感じた。


そのため、私は澤田さんの仕事を手伝おうと思った。


外村：「大丈夫、手伝おうか？」

澤田：「うん。でも、僕に与えられた仕事だし、自分でやるよ」

外村：「でも、一人じゃ大変な仕事だし、僕も手伝うよ」


この光景を見ていた永井課長が口を挟んできた。


永井：「澤田君、もっと頑張れるだろ？」

澤田：「は、はい」

永井：「分からないことがあったら、当然教えるけど、
成長したいなら、自分自身でもっと頑張る必要があるよ」

澤田：「分かりました。一人で頑張ってみます」

外村：「いや、でも・・・」

永井：「外村君は手伝わなくてもいいから。分からないことがあったら私がサポートする」


私には澤田さんが一人で出来るようには思えなかったし、
最近、彼に元気がないことを知っていた。
澤田さんは私みたいに分からないことを、
分からないといって上司に聞くことはあまりしない。
私はちょっとでも分からないことがあったら、すぐに上司に相談していた。
相談しすぎだ、と怒られたほどだ。　

永井課長は私と同じような指導方法で澤田さんを指導しているように見えた。

しかし、頑張れと励ましても、頑張れない部下もいる。


澤田さんは次第に元気がなくなり、病気がちになった。
休む日が少しずつ増えてきて、明らかに、うまくいっていない日が続いていた。
それにも関わらず、永井課長は「頑張れ」と澤田さんを励ましていた。永井課長は相変わらずだった。


入社から1年後、澤田さんは辞表を提出した。


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□　部下から見た問題点
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澤田は、永井課長からの圧力に耐えられませんでした。

仕事が出来ないと永井課長から「頑張れ」と言われます。
澤田はそれを励ましとは捉えませんでした。
「出来ないのは努力が足りないからだ」と、努力不足を指摘されているように感じました。

その指摘が、澤田にとって、重圧となりました。

努力しても努力しても、実力が伴わず、仕事が出来ない。
しかし、努力不足を指摘される。
よって、更に努力しようとする。

その悪循環により、澤田は限界を迎えてしまいました。


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□　部下として今どうすべきか
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「頑張れば出来る」そう思うことが一番の問題です。

日本人は子供の頃から「より高い志望校を！」「１日１０時間以上机に向かう」など、
努力目標を掲げさせられてきました。
「努力することで目標は達成できる」という発想が植えつけられているのです。

上司も同じように、努力目標を掲げてきます。
「ここまでにこれだけやらなければならない」
「頑張ればこれくらいは出来るな」
そんなことは、上司が決めることではありません。

そのように上司が目標を設定することで、一番大事なことが無視されます。
それは「本人の実力」です。

「自分には何が出来るのか」それが全ての出発点です。

「自分にはこれくらい出来る。では、この仕事ならここまでには出来ます。」
そのように目標を決めていきましょう。
上司に目標を決められても、さらに自分の中で目標を設定するのです。

上司の目標が達成できなくとも、自分の責任ではありません。
部下の実力を把握せず、ギャンブルのようなスケジュールを立てるのは「管理」とは言いません。

自分の実力を把握し、自分のペースで目標を設定し、確実に目標を達成していく。
そのように「自己管理」をすることで、焦りは減り、安定した成長が見込めるでしょう。

上司にとって、むらが多く、目立つ部下よりも、
安定した実績を上げる部下の方が、管理がしやすいのです。
初めは「出来の悪い」部下と評価されるかもしれませんが、
毎回低くとも安定した成果を上げることで、必ずそこに信頼が生まれます。

そのような部下を目指してみてはどうでしょうか。


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□　自分が上司になった場合にどうすべきか
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部下に仕事を頼む時は、
「これが出来るか？」ではなく、
「どれだけ出来るか？」を聞くようにしましょう。

「自分の実力から、見積もりを出す」ことに慣れさせるのです。

「頑張れば出来る見積もり」ではなく「必ず出来る見積もり」にさせるよう注意してください。

そのように「必ず出来る見積もり」を全ての部下が行うことで、
「管理」はとても楽になるはずです。

あとは、それぞれの部下の見積もりをパズルのように組み合わせて、
スケジュールを立てることで、それは「必ず出来る計画」となります。

人が足りなければ、人を増やし、
時間が足りなければ、納期を遅らせるしかないでしょう。

部下の尻を引っ叩くことが「管理」ではありません。
「必ず出来る計画」を立てることが「管理」です。


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□　編集後記
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「目標っていうと、何を思い浮かべる？」

「努力して達成できることかな」

「頑張ったら、こんだけ出来ることとか」

「そうだね。普通は最低限出来ることは目標にはしないよね。」

「けれど、目標には努力しないと出来ないことという意味はなくて、
目標には努力目標と必達目標がある。日本人は努力目標に苦しめられていると思う」

「確かに、そうかもしれない。だから？」

「だから、自分で出来ることを達成していく癖をつけさせることが第一なんじゃないかなと思います」



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あなたが出会ったダメ上司の話を教えて下さい。
教えていただいた話から、グッチ55が物語を作り、
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