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【歴史・一日一話】第2742話吉田書簡

配信日：2014年12月23日

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第2742話　吉田書簡

１９５１（昭和２６）年１２月２４日、総理大臣・吉田茂がアメリカ国務長
官ダレスに書簡を送りました。

この書簡の中で、中華民国政府を中国の正統政府として認めると表明しまし
た。

当時の日本は、アメリカを中心とする連合国の占領下に置かれていました。

ヨーロッパでは、第二次世界大戦終了後、かつての同盟国であったアメリカ
とソ連の間で『冷戦』が始まりました。

アジアでは、１９４９（昭和２４）年１０月１日、中国共産党の毛澤東が北
京の天安門で、中華人民共和国の成立を宣言しました。

１９５０（昭和２５）年６月２５日、北朝鮮軍が３８度線を突破し、朝鮮戦
争が始まりました。

同年１２月、中国は『人民義勇軍』という名称の大軍を派遣して、朝鮮半島
でアメリカ軍を主力とする国連軍と激闘を繰り広げます。

この戦争は「休戦」になりましたが、朝鮮半島は３８度線により南北に分割
されました。

アメリカと中国は敵となりました。


中国共産党が『国共内戦』に勝利して、中国大陸を支配下に置くと、敗れた
中国国民党の中華民国は、日本の領土であった台湾へ『移転』し、台北を『
臨時首都』にしました。

アメリカの占領下にある日本が中華民国と中華人民共和国のいずれかを中国
の正統政府とするか、選択の余地はありませんでした。

これにより、台湾のみを統治する政府が中国の正統政府であるという『虚構』
が成立しました。

この『虚構』は１９７１（昭和４６）年１０月２５日、国連での中国代表権
の決議、１９７２（昭和４７）年９月２９日、日本国と中華人民共和国との
『国交回復』まで日本の外交政策を制約することになりました。

現在は、新たな『虚構』が一人歩きをしています。

それは『台湾は中華人民共和国の一部である』という虚構です。


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