IT業界の裏話
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[IT業界の裏話-0320]コンサルもSIerもいらない、内製志向のユーザ企業
配信日:2009年05月15日
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2009年5月15日発行(5000部)
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■■ IT業界の裏話−−−−−−−−−−−−−−−−−−−No.320
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--> バックナンバー:http://it-ura.seesaa.net/
どうも、吉澤準特です。
ストレングスファインダーがすごいです。
周りの人にも進めていますが、
初めてコーチングの分類を知った時と同じくらいの
新しくて納得な発見があります。
まだ体験していない方、是非どうぞ。
→ http://it-ura.seesaa.net/article/118437991.html
▼ INDEX ▼
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■ 業界裏話 :コンサルもSIerもいらない、内製志向のユーザ企業
■ Hot Topic :こだわるは所有ではなく“使いこなす”ERP
■ レポート提供
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http://mixi.jp/show_friend.pl?id=283143
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■ 業界裏話 :コンサルもSIerもいらない、内製志向のユーザ企業
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数年前から「戦略的パートナー」という表現がよく使われるようになりま
した。ITという道具をうまく使ってビジネスを成長させるため、IT戦略か
ら運用までを一貫して扱うベンダーやコンサルが流行らせた言葉です。
その結果、現在では多くの情報システム部門で戦略的パートナーと言える
ベンダーやコンサルを見かけることができます。
そもそもこの言葉が流行った背景には、企業のビジネスが急拡大するスピ
ードに社内の人材だけでは対応することが難しくなったという事実があり
ました。
ですから、そもそも社内に十分な人材がいるのであれば、戦略的パートナ
ーという存在は必要はなく、全て自分達で判断すればいいだけの話なので
す。
さらにもっと言えば、パッケージとして提供されている業務アプリケーシ
ョンや運用管理製品なども、やろうと思えば自分達で作ることもできるの
ですから、大半を内製で賄うことだって可能です。
思い返せば、15年以上前はそうやってスクラッチからシステムを素早く構
築することを当たり前にやっているところばかりでしたが、今では出来合
いの高価なアプリケーションを購入して賄うことが増えていませんか?
この点を省みて、原点に回帰した企業があります。それが無印良品で知ら
れる「良品計画」です。
EnterpriseZineで紹介されていましたが、同社ではユニゲージ開発という
手法で、業務に必要な機能のうち、カスタマイズで実装する部分はほぼ全
てをLinux標準シェルスクリプトで実装しているそうです。
・主導権を握るのは、突き詰めていくと内製化をせざるを得ない
・独自性の強い業務は、どれほど優秀なベンダーでも作れない
・速いことが全ての諸問題を消し去った
・間違っていてもいい、すぐに直すことができるので全く問題ない
・システムの目的を示すことは自分たちにしかできないこと
これはいずれも良品計画の情報システム部長の言ですが、内製率を極限ま
で高めた組織の言葉には重みがあります。
マズローの至言である「もしあなたが持っている唯一の道具が金づちなら
あなたは全ての問題を釘として見るようになる。」という言葉を先日ブロ
グで紹介しましたが、この事例から何を感じるかは人それぞれでしょう。
→ http://it-ura.seesaa.net/article/118898181.html
あなたがユーザ企業のIT担当者なら、「コア業務に係るITの内製率を高め
ることが競争力の源泉になる」と感じるかもしれません。
コンサルならば、「内製する力を育てるところに商機がある」と洞察する
人がいるのではないかと思います。
SIerならば、「速さに強いアジャイル開発プロセスを大々的に展開する時
期が到来した」と考え付く人もいそうです。
少なくとも言えることは、ユーザの無知に付け込んで利益をむさぼってき
たベンダーにユーザ企業は愛想を尽かそうとしています。
ホストサーバの料金明細が出せない、といって要求を突っぱねるメインフ
レーマー、見た目上のコスト単価を高めるために頭数を水増しするSIer、
机上論に終始するコンサル。
身に覚えがある方は姿勢を改める機会かもしれません。
(このエントリーへのコメントはこちら)
→ http://it-ura.seesaa.net/article/119475963.html
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■ Hot Topic :こだわるは所有ではなく“使いこなす”ERP
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企業の基幹系業務を統合的に処理するERPパッケージ。さまざまな業務を横
断的に管理可能にし、最も経営効率を高められるようにしていこうという
のが ERPの目標だ。
スピード経営、変化への素早い対応が強く求められるようになったこの十
数年の間に、大企業で普及してきたERPパッケージだが、中堅・中小企業で
は主にコストと導入期間が障壁となり、なかなか普及が進んでいない。
しかし今、パッケージベンダは中堅・中小規模のビジネスにマッチする製
品ラインナップを整備し、導入が容易になってきた。加えてASP/SaaSとし
ての機能提供も始まり、ますますコスト効果の高いERP実現の道が開けて
いる。
●ERPとは?
ERPといえばERPパッケージのことを指し、目的そのものよりもパッケージ
を利用したシステムのことをいう場合が多い。財務会計を中心に、製造、
物流、販売、調達、人事といった業務をモジュール化して提供している場
合が多い。中堅・中小企業においては必要な機能のモジュールからスモー
ルスタートし、徐々に機能(モジュール)を追加していく方法がとれるよ
うになり、導入障壁が低くなっている。
ERPは、企業の業務で発生する情報を集約・一元管理することで業務の無駄
をなくし、効率化を実現する。同時に部門の壁を超えて経営指標を迅速に
入手可能にし、経営判断に適時に活用できるようにもする。統合データベ
ース(論理的な統合データベースでも可)と、パッケージに備わった「ベ
ストプラクティス」の活用がカギ。
●ERPの導入課題
経営効率改善に役立つ数々の効果が期待できるが、一方でパッケージのカ
スタマイズ費用が高額になりがちで導入期間も長期化しがちなところが課
題。しかし主にパッケージ側での提供形態の変化により、解決が可能にな
っている。
●注目のERP
低コストにERPが実現できる新しい手法に、ASP/SaaSのERP機能のサービス
が登場している。これにより導入コストや保守コストなどを大幅に引き下
げることが可能。更に場合によってはオープンソースERP製品を利用する
選択もありうる。
・・・
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「こだわるは所有ではなく“使いこなす”ERP」で検索して下さい。
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編集後記)
良品計画の取り組みは内製志向のユーザ企業にとって
ある種のモデルになりえると思います。
参照先の記事にありましたが、
良品計画が本気を出したのは経営危機がきっかけでした。
組織の存続を伴う危機が訪れない限り、
抜本的な風土の改革は難しいのでしょうね。