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がんばれ社長!今日のポイント
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13/09/18がんばれ社長!今日のポイント 「続・どんどん焼けからの復興」
配信日:2013年09月18日
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経営者用メールマガジン 『がんばれ社長!今日のポイント』
作者: 武沢 信行 2013年9月18日号 VOL.3197 購読者:27,857名
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『続・どんどん焼けからの復興』
●日本の観光地・人気ベスト5を都道府県で回答せよ、と言われたら
あなたはどのように答えるだろうか。歴史や文化があって、自然や街
並みが美しく、おいしい食事やお酒があって良いお湯でも湧いていた
ら申し分ない。おもてなしの精神がそれに加われば天下無敵の観光地
になるはず。
●京都、沖縄、北海道、東京、大阪、神戸、福岡、名古屋、横浜、広
島、金沢、仙台、奈良、高山、鹿児島…などが上位にくるだろう。
四国や東北、北陸にも見どころが一杯あるし、世界遺産に登録された
富士山の静岡、山梨も人気が出るだろう。また、伊勢神宮と出雲大社
がある三重、島根も根強い。そう思って観光客数ランキングが載った
ホームページを探してみたが、残念ながら見つからなかった。
やむなく、コツコツと観光客が多そうな都道府県の観光局のホームペ
ージをしらべてみた。その結果は少々意外なものだった。
1位:東京都(年間観光客 4.7億人)
2位:神奈川県( 〃 1.7億人)
3位:大阪府( 〃 1.6億人)
4位:愛知県( 〃 1.4億人)
5位:兵庫県( 〃 1.3億人)
6位:福岡県( 〃 1.0億人)
あとは、京都が 5,000万人、北海道が 4,800万人、奈良 3,400万人、
広島 2,300万人、沖縄は 600万人という結果だった。
●ちなみに中高生が修学旅行で行きたい観光地のベスト5はこちら。
データは少々古いが、これが案外日本人全体の総意を反映している
ように思うがいかがだろう。
1位:沖縄
2位:北海道
3位:東京ディズニーランド
4位:京都
5位:東京
★オリコンスタイル(2006年調査)
⇒ http://www.oricon.co.jp/news/ranking/22915/
●こうした観光客ランキングというものは、それぞれの都市が賢明な
観光誘致に取り組んだ賜物である。
「京都ってもともと歴史と文化があるから」「沖縄は自然が豊かだか
ら」「北海道は食べ物がうまいから」などと考えて、努力しなくても
人が集まるように思っていたら大間違いだろう。
●京都の場合、「禁門の変」の大火災で京都の大半が焼け、その数年
後には「天皇さま、行かないで」と市民の多くが懇願するが、結局、
江戸(東京)への遷都が決定。京都の人口は 2/3になり、市街地は閑
古鳥がなく有様だった。
このままでは京都が完全にダメになる。そこから始まった劇的な復興
劇とはなにか。
●まず一番目は外国人誘致に目をむけたことである。
当時の京都は会津藩士・山本覚馬を政治顧問として招いた。その理由
は、海外事情に詳しく、外国人人脈も多いことであった。
平成の今日でこそ外国人を観光誘致することは常識中の常識だが、直
前まで鎖国政策がとられていた日本。幕府を倒す大義名分も攘夷(外
国人を追い払って日本に入れるな)をスローガンに抱えていたわけだ。
そんなときに、外国人を呼ぼうというのは「君子豹変」というべきほ
どの変わり身の早さである。藁(わら)をもすがる気持ちだったのだ
ろう。
●まず、日本の伝統文化や伝統産業が外国人にどの程度伝わるものか、
テストマーケティングしたのが「パリ万博」(1867年)への出展だっ
た。日本館では、精巧な工芸品を展示した。
外国人からみれば、海のはるか向こうの鎖国していた国がこんなに素
晴らしい文化をもっている、驚いた。フランスでは「ジャポニズム」
といわれる空前の日本ブームがわき起こった。
●山本覚馬は「今がチャンス」と捉えて、京都でも博覧会を開催する
ことにした。
「京都の魅力を海外の人に是非とも伝えたい」と開催した京都博では、
外国人が喜びそうな展示品を集めまくった。甲冑、刀剣、絵画、書、
工芸品、日本食、お茶、魚、鳥などなど。さらには日本初の外国人向
けガイドブックを英文で完成させている。
さらに、フランス料理のフルコースが食べられるよう料亭を料理指導
した。その当時のメニューが残っているが、「前菜、サラダ、スープ、
メインディッシュ、デザート」など、当時の日本食にはなかった概念
に戸惑ったことだろう。豚のローストビーフ、豚のビーフステーキ、
羊のビーフステーキというメニューも残っていることから、ビーフの
意味も分かっていなかった可能性がある。
●青い目をした外国人を奇異の目でみてしまう京都市民に対して、失
礼があってはならないと徹底的にガードマンが観光客の身を守った。
人力車に乗って市内観光するときにも、その脇をガードマンが走った。
道に迷う人、体調を崩す人、すべてをガードマンたちが守った。
●「なんて素晴らしい街なんだ」と京都の評価が急上昇していった。
やがて外国人の旅行が自由化されると、どんどんと京都を訪れるよう
になった。
こうして観光によって復興の足がかりをつかんだ京都は、次に産業再
生のために物流の大動脈づくりに取り組むことになる。
それが「琵琶湖疎水」プロジェクトであった。
<明日につづく>
※参考:★NHK 歴史秘話ヒストリア 明治の京都へおこしやす
⇒ http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3717
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【編集後記】
◆私は150年前の京都復興劇をみて、東北の震災復興や2020五輪に向けて
の東京の再生活動とをかぶらせていました。いや、日本全体にも当てはまる
かな。
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