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10/06/16がんばれ社長!今日のポイント 「パッチ・アダムスと赤ひげ」

配信日:2010年06月16日

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  経営者用メールマガジン  『がんばれ社長!今日のポイント』
 
  作者: 武沢 信行  2010年6月16日号 VOL.2409 購読者:32,104名

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『パッチ・アダムスと赤ひげ』


●うわさレベルの話だが、宮部みゆき氏は『模倣犯』の試写会で映画
のデキの悪さに途中で席を立ったという。
その真偽は分からないが、うわさを信じたくなるほどひどい映画で、
amazonでも見事なまでに酷評されている。

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映画『模倣犯』のエンドロールを見ながら私は、原作がヒットした作
品の映画化は期待してはならないと"学習"した。

もちろん例外もある。

●12年前、『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』(主演:ロビ
ン・ウィリアムズ)を観て泣いた。
アメリカに実在する現役医師、「パッチ・アダムス」(1943年生れ)
の実話ときいて感動もひとしおだった。
実在の「パッチ・アダムス」の名はハンター・キャンベル・アダムス
氏(以下「アダムス氏」)。

氏に関するウィキペディアの記事は次の通り。(武沢要約)

・・・学生時代から金儲け優先の医療のあり方に疑問を持ち、愛とユ
ーモアを根底において、人に優しい医療を目指す。ウェストバージニ
ア州のポカホンタスに、自分の目指す医療のできる、しかも無料で医
療サービスの受けられる病院「ゲズントハイト・インスティテュート」
を設立する。「ゲズントハイト・インスティテュート」は「お達者で
病院」といった意味で、die Gesundheitはドイツ語で誰かが突然くし
ゃみをした時に、そばにいる人がいう台詞で、「大丈夫?」「気をつけ
て」「お大事に」といったニュアンスの言葉である。12年間そこで無
料の診療活動を行った。
パッチ・アダムスは、さらに社会的な活動家でもあり、一種の民間外
交官でもあり、プロの道化師、アーティストで俳優でもある。たとえ
ば、彼は毎年世界中のボランティアたちと共にロシアに出かけて、孤
児や患者やそのほかの大勢の人たちを喜ばせたり、希望を持たせるよ
うなチャリティ活動をし、1998年にはボスニアにも出かけている。
・・・

●そのアダムス氏が「自分の映画は見なくてよい」と語っている。

謙遜もあるのだろうが、日本の医大における講演会で「私の映画は見
なくていいから『赤ひげ』を見なさい」といい、「赤ひげ」を「ドリ
トル先生」と並ぶ理想の医師像として挙げている。
それを知ってかどうか、デーブ・スペクター氏も日本の医大の講演会
で必ず『赤ひげ』を見ることをすすめているようだ。

●映画『赤ひげ』(1965年、黒澤明監督作品)の原作は山本周五郎の
『赤ひげ診療譚』。

映画の前半はほぼ原作通りに進むが、後半はドストエフスキーの「虐
げられた人々」を取り入れて構築されたという。
山本周五郎をして「原作よりいい」と言わしめ、興行も大ヒットを収
めた。
私も11歳のとき父親に連れられて見たが、白黒映画なのにカラー映画
並みのリアリティがあり、手術シーンでは目を閉じた。また、主演の
三船敏郎が本当にひげを赤く染めたとか、加山雄三がこの作品で役者
を続ける決意をしたとか、この映画を作るために黒澤監督が自宅を売
却したなどの話題が世間を騒がせてもいる。

●仕事を頼めば高額な費用が発生するのが当然という医療分野で、敢
然とそれを「無料」または「無料同然」で引き受けたのがパッチ・ア
ダムス氏と赤ひげ先生。

彼らを”理想主義者だ、社会主義者だ”と一蹴するのは簡単なことだ。
しかし、資本主義のルールの中でも彼らのような理念と理想を追い求
める勇気ある行動は報われなければならない。

今やっている「あれ」を無料に出来ないか、それでも経営が成立でき
る方法がないか、真剣に考えてみよう。


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