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【経営戦略考12/06/07】コクヨがCamiAppのライセンスを供与>分け与えて得られる大きなリターン

配信日:2012年06月07日

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━━━━━━━━━━━━━━━━ 2012/06/07(通巻2175号)━
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■■   コクヨがCamiAppのライセンスを供与
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━━━━━━━━━ 情報源:日経産業新聞 2012.06.07【17面】━

今どきの経営者なら、とにかくがめつく稼ぐだけ、という経営のや
り方では良くないという認識があるでしょう。

昔から、「損して得とれ」という言葉があります。

時として、失敗の言い訳にも使われることもあるようですが、計算
に基づく“先行投資”であれば、「損」と表現することすらナンセ
ンスでしょう。

無料のオファーで個人情報を取得したり、試供品を無料で配布した
りといった“先行投資”は、必要なものです。

また、「敵に塩を送る」ようなやり方も、一見、「損」のようであっ
ても、実は戦略として有効であったりします。

7日付けの日経産業新聞に、コクヨが「スマホ対応ノート『CamiApp
(キャミアップ)』の商標やアプリに関するライセンス供与を始め
たと発表した」という記事が掲載されています。

具体的には、「ジャポニカ学習帳」で有名なショウワノートへのラ
イセンス供与がスタートします。

ノートのスマホ対応は、他社製品と差別化策として有効と考えられ
ますが、それをあえて競合他社にライセンス供与するわけです。

記事はコクヨの狙いを「独自ブランドや技術を外部に開放して商品
群を増やし、消費者への認知度を高める」ことだと解説しています。

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■■   分け与えて得られる大きなリターン
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今まで世の中になかった製品を普及させるには、莫大なマーケティ
ングコストがかかります。

その点、ライセンス供与は、他社の負担で普及させるのに好都合です。

「自前主義」を脱し、ライセンス供与により収益を伸ばした事例と
しては、ハローキティで有名なサンリオが知られています。

製品販売ではなく、ライセンス供与による収入を得ることは、経営
のイノベーションでもあります。

「自前主義」にこだわると、他社がさらに優れた類似製品を投入し
てくる恐れがありますが、ライセンス供与には、他社が類似製品を
開発する意欲をそぐ効果もあります。

また、ライセンス供給者(ライセンサー)となることは、製品販売
での横一線の競争環境から、頭一つ抜け出し、有利なポジションを
占めることにもなります。

特に、自ら生み出した製品で世の中を変えようとするのなら、その
普及を加速するためのライセンス供与は、必然的な戦略です。

私が経営する銀座コーチングスクールも、ライセンスを供与するこ
とで、地方校展開(現在12ヶ所)を進めています。

「銀座コーチングスクール」という統一ブランドを掲げた方が、個
人でスクールを立ち上げるより、集客面でも品質面でも、はるかに
有利に運営できます。(フランチャイズチェーンも、その考え方に
基づきます)

「独り占め」で成し遂げられることには、限界があります。むしろ
「分け与える」方が、結果として大きなリターンを得られる道が開
かれるわけです。これもまた、「損して得とれ」の一種でしょうか。

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■■■■■■■■■■■■ 今日の教訓 ■■■■■■■■■■■■
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あなたの企業が提供する優れた製品を、もっと急速に普及させるこ
とを考えてみよう。独り占めするのではなく、分け与える発想を持
ち、そこから収益を得られる方法を考えよう。

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