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【経営戦略考12/04/04】JTBが学校向け弁当販売>自社ならではのノウハウを活かす

配信日:2012年04月04日

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━━━━━━━━━━━━━━━━ 2012/04/04(通巻2158号)━
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■■   JTBが学校向け弁当販売
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━━━━━━━ 情報源:日経MJ(流通新聞)2012.04.04【9面】━

事業の発展性を検討する際は、既存市場・新規市場、既存商品・新
規商品を軸にとった「成長マトリクス」を描いてみます。

現在の事業を既存市場・既存商品の象限に書きます。

その上で、それが新規市場や新規商品に進出させることができるか
どうかを考えます。

現在の商品を今までとは異なる顧客層に売ることや、現在の顧客層
に新たな商品を販売することの可能性を検討してみるわけです。

その可能性が大であれば、将来へ向けて、その事業の伸びしろは大
きそうだと考えられます。

日経の記事の中には、「成長マトリクス」で読み解くとわかりやす
いものが頻繁に登場します。

4日付けの日経MJ(流通新聞)に、「JTBグループのJTB法人
東京は学校向けの弁当販売を始めた」という記事が掲載されていま
す。

JTBと言えば旅行代理店のイメージが強いですので、これがどの
ように「成長マトリクス」で読み解けるのか、ピンと来にくいかも
知れません。

ですが、学校向けには「修学旅行」という商品があります。

つまり、「学校」という既存顧客向けに、「弁当」という新たな商
品を販売するという形で「成長マトリクス」を描いているわけです。

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■■   自社ならではのノウハウを活かす
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成長マトリクスを使うと、いろいろな事業展開アイデアが生まれま
すが、実現するとなると新規顧客開拓・新規商品開発が必要ですの
で、必ずしも容易にできるとは限りません。

特に「弁当」と「旅行」とでは、あまりにも違い過ぎますね。

このような場合は、新たな分野に詳しい他社と手を組むのが常套手
段です。

記事によるとJTBの場合、「弁当事業を手がけるオーシャンシス
テムと連携する」ことで、そのハードルをクリアするようです。

ただ、JTBにとっては新たな分野でも、弁当事業に取り組む企業
は既にたくさんあるので、何らかの差別化策が必要です。

それについて記事は、「希望する生徒とプロの料理人、オーシャ
ンシステムの担当者らが半年間で1つの献立を作成する。栄養素に
関する講義のほか、盛りつけ方の指導も手掛ける。献立を作成した
後の半年間、週1回のメニューとして提供する」と説明しています。

この弁当には、生徒に対する“教育効果”がありそうです。

そう考えると、修学旅行についても、“教育効果”が期待されてい
ることに思い当たります。

JTBは、恐らく既に“教育効果”をもたらす「修学旅行」のノウ
ハウが備わっているでしょう。そのノウハウを「弁当」に応用した
ものが、今回の取り組みだと考えることができます。

一般的な弁当とJTBが提供する弁当とを差別化(差異化)する要
素として、“教育効果”は重要と思われます。

「成長マトリクス」で出た新分野進出のアイデアを評価する際は、
自社の独自のノウハウが差別化・差異化をもたらすかどうかは、重
要なチェックポイントです。

“教育効果”のある修学旅行を提供しているJTBなら、学校向け
の弁当も、文字通り“ひと味違う”ものを提供してくれるという期
待が持てるわけです。

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■■■■■■■■■■■■ 今日の教訓 ■■■■■■■■■■■■
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あなたの企業では、新たな分野に進出するにあたり、どのような差
別化・差異化策を考えているだろうか。自社にとっては新分野でも、
そこには既存企業がひしめいている。自社ならではの独自のノウハ
ウを適用することで、差別化・差異化できる分野を狙おう。

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