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12/03/26がんばれ社長!今日のポイント 「コカコーラ社の新事業」

配信日:2012年03月26日

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  経営者用メールマガジン  『がんばれ社長!今日のポイント』
 
  作者: 武沢 信行  2012年3月26日号 VOL.2838 購読者:29,546名

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『コカコーラ社の新事業』


●コンサルタントとしてかけ出しのころ、パチンコホール「K社」の
人材育成をお手伝いしたことがある。

「K社」は名古屋でも屈指の総合レジャー会社で、その当時すでに25
店舗のパチンコ店のほかに、ボーリング場、カラオケ、サウナ、スー
パー銭湯、居酒屋、ピザ屋、回転寿司、そば屋、ドーナツ店、パン屋、
カフェ、レンタルビデオ店、それにキャバクラも何店舗か経営してお
られた。

●決算書を拝見したら、全部門で利益を上げておられた。
「すごいですね、これぞコングロマリットですよ」と私が申し上げた
ら、社長が即座に否定された。

「武沢さん、それはちがうなぁ。当社の場合はワン(1)ビジネスだ
から。コングロマリットとは、直接の関係をもたない複数の事業を傘
下におさめることでしょ。当社はたくさんやっているように見えて、
実態はパチンコを中核にしたサービス業だけだから。パチンコに匹敵
する二つめ三つめの柱ができたときに初めてコングロマリットと言え
るかもしれないが」

●「なるほど。でも社長、大丈夫ですよ。これだけ豊富な資金量があ
るのですから」と私が言うと、

「何が大丈夫なものか。じゃあ探してきてくださいよ、パチンコに匹
敵する事業を!金があれば新規事業がうまくいくというわけじゃない
んだから」とムッとされていたことを覚えている。

●あれから20年近くたつが、K社が新しい事業で成功しておられると
いう話はまだ聞いていない。

起業を成功させるのが大変なのと同様に、新事業を成功させることも
容易ではない。むしろ、今成功している事業が足かせになることもあ
る。ユニクロの柳井社長は、鳴り物入りで開始した野菜ビジネスが失
敗に終わったとき、こんな名ゼリフを残した。

「カネがあり人材もいたから、うまくいかなかった。カネがない、ヒ
トがいない、モノがない、チャンスがないことは、事業を成功させる
4大条件だと僕は思っています」

●起業時にはカネがないし人材もいない。モノもチャンスもないから
懸命になって知恵をつかう。だからうまくいく可能性が高くなる。

それにひきかえ新事業の場合は、幾ばくかのカネと経験豊富な人材が
揃っていることが多い。だから失敗しやすい。
きちんとしたデータはないが、起業の成功率より新事業の成功率の方
が低いはずだ。
ユニクロにかぎらず、新事業の参入に手こずっている会社は枚挙にい
とまがない。あの米国・コカコーラ社でもびっくりするような失敗を
何度かしている。

●そのひとつがワイン会社の買収だった。

コカコーラが事業として立派に成功していた1970年代のこと、経営陣
も外部のコンサルタントも「事業を多角化しよう」というアイデアに
熱中していた。

当時の中核事業は炭酸飲料とジュースだけであり、もし事業環境が大
きく変わったときリスクが高い。経営を安定させると同時にさらに高
い付加価値が期待できるビジネスは何だろうかと彼らは考えた。

●その当時、ライバル社のペプシコは大手飲食店チェーンを買収する
など飲食ビジネスに参入することでペプシを拡販する戦略をとってい
た。

●だがペプシのやり方はあまりうまくいっていないという情報も得て
いたコカコーラの経営陣。次に参入する分野も自社の中核事業からあ
まり遠く離れていない事業がよいと判断した。
そこで白羽の矢が立ったのがワインビジネスだった。夕食会やパーテ
ィにコカコーラと一緒に出来の良いカリフォルニアワインを提供でき
るようになろうと考えた。

●「それは面白い」「何ドル、何セントという単位の粗利益ではなく、
桁が一つか二つ大きい粗利益の事業になる」と経営陣全員が夢中にな
った。

そして鳴り物入りでコカコーラのワイン事業がスタートすることにな
ったのだった。

●実はそれとほぼ同時期にコカコーラ社では、膨大な市場調査を行っ
ていた。それによれば、従来のコーラの味よりも新しい味覚を消費者
が求めていると報告されていた。そして、新しい味のニューコークは
どこでテストしても抜群の反応で、創業以来 100年にして味を変える
というプロジェクトも進行していたのだった。

●どうなるこの二つの Project? その結果は私たちの方が当時の彼ら
より詳しいのだが・・・。

<明日につづく>


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ます。近々書くつもりですが、同じ内容の勉強を東京・名古屋・大阪で
やっていても、場所とメンバーが変わるとこんなにも雰囲気が異なるも
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いずれにしても大変なインパクトがあるようで、そのあたりを書いてみ
たいと思います。



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