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武士道・一日一話
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【武士道・一日一話】 No.8
配信日:2009年07月06日
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武士道・一日一話
2009.7.6 No.8
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武士道。それは日本人が本来持っている立派な人になるために必要なマナー。
私たちが生きていくうえで必要な振る舞いや責任について考えるためにため、
そして美しく、気高く生きるために、古の人たちの言葉を通して、私たちの心
をもう一度見つめなおす機会を持ちたいと思っております。
《おもな内容》・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.【今日の言葉】 水清ければ、魚棲まず
2.【出典紹介】 「葉隠」・「葉隠入門」
3.【編集後記・お詫び】
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【今日の言葉】
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● 水清ければ、魚棲まず
何某当時倹約を細かに仕る由申し候へば、よろしからざる事なり。水至つて
清ければ魚棲まずと云ふことあり。およそ藻がらなどのあるにより、その陰に
魚はかくれて、成長するものなり。少々は、見のがし聞きのがしある故に、下
々は安穏なるなり。人の身持なども、この心得あるべき事なり。
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【要旨】
ある人、常々何かと細かな倹約を説いているが、よいことではない。「水清
ければ魚棲まず」ということわざがある。藻などがあるからこそ、その陰に魚
はかくれて成長するのである。少しは、見逃したり、聞き逃したりすることが
あるから、下々のものは安穏に過ごすことができるのだ。人の品行などについ
ても、この心得が必要である。
*「葉隠入門」(三島由紀夫/新潮文庫/1983)より
「葉隠」名言抄(笠原伸夫訳)を引用、一部改訂
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【私見】
見方を変えれば、自らには厳しく、他人には優しくしなさいということです。
上に立つものが常に細かなことでいちいち口出しをするのは良いことではない
とも言えます。許される範囲で、少しは見逃したり聞き逃したりして、部下に
任せることで、部下が精神的に落ち着いて、前向きな仕事ができます。品行な
どを注意する時もこの心得が必要です。倹約などの清貧な思想はとても素晴ら
しいですが、あまり度が過ぎると硬直化してしまい、成長が止まってしまいま
す。この、締めるところと緩めるところのバランス感覚がとても大事です。
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【出典紹介】
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●「葉隠」(はがくれ)
江戸時代中期(1716年ごろ)に出された肥前国鍋島藩藩士、山本常朝の武士
としての心得について見解を「武士道」という用語で説明した言葉を田代陣基
が筆録したものです。
●「葉隠入門」(三島由紀夫/新潮文庫/1983)
「葉隠」を“わたしのただ一冊の本”と心酔していた三島由紀夫が現代人に
書いた入門書です。彼の持論もありますが、「葉隠」の闊達な武士道精神を今
日によみがえらせ、現代という乱世に生きる私たちに“常住坐臥”の心構えを
説いています。
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【編集後記・お詫び】
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「まぐまぐ!」様のメンテナンスにより2部刊いたしました。大変申し訳な
く思います。読者の皆様に深くお詫び申し上げます。
先日、新渡戸稲造の「武士道」をテーマにした読書会に参加しました。いろ
いろな方から、いろいろな意見を聞くことができて有意義な時間を過ごすこと
ができました。古くて、堅くて、右よりでいうイメージが先行しがちですが、
改めて、「武士道」の考え方は人間関係論であり、バランス感覚を大事にした
思想であることを痛感しました。もっといろんな物に触れ勉強しようと思って
います。
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【武士道・一日一話】
発行者:菅野 康典 (武士道勉強家)
【ブログ】 武士道・一日一話 http://nippon-bushido.seesaa.net/
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