人と組織の悩みが嘘のように晴れるコラム１００選

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人と組織の悩みコラム Vol.161『孤独』

配信日：2009年07月22日

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【教科書に書いていない人の育て方】「トップの指示をそのまま部下に伝えるな」

ダメなチームリーダーの3パターン

●現場と一緒になって経営のトップのグチを言う
●「トップの指示だから」と頭ごなしに現場へ命令する
●トップと現場からあがる声を伝書鳩のように伝えるだけ

7月号では、本来チームリーダーに求められている役割について解説します。
チームが目標達成をし続けるための鍵を握っているのは、チームリーダーなのです。

⇒　http://www.faith-h.net/contact/rd.asp?aid=342　
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2009年7月22日号
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　　　　　人と組織の悩みが嘘のように晴れるコラム１００選

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◆　孤独　◆


「会社にいる時はいつも孤独でね。一人で闘っているような気がしていたんで
　す」


孤独。ドキリとする言葉だ。

一流ホテルの広い宴会場で200名を超える社員にもみくちゃにされながらビー
ルを注がれている笑顔満面の社長が口にするには、「孤独」という言葉はふさ
わしくない。

昨晩、僕は関西の中堅メーカーが開催する経営理念発表会にゲストとして参加
していた。

会長、社長のスピーチがあり、プロジェクトリーダーたる営業本部長と課長か
ら「理念」の発表があった。

そしてそれぞれから「理念」にかける熱い思いが社員たちへ向け語られた。


「今期、我が社は不況の中で、皆さんのおかげで過去最高益を達成することが
　できました」


堂々と胸を張り、41歳の村上社長（仮名）が報告した。


「しかし、私が誇りたいのは利益という数字ではない。この数字は社員である
　皆さんの通信簿だ。私にとって数字ではなく、社員である皆さんこそが最大
　の誇りです。皆さん、どうもありがとう」


万感の思いが去来したのだろうか。感情の高ぶりを隠さずに大きな声で叫ぶよ
うに話す村上社長がいた。普段のクールで冷静な姿からは想像がつかない。き
っとたくさん苦労をされたんだろうな。だからこそ、心から嬉しいのだろうな。
村上社長の心中を察しながら僕は感極まる村上社長を素敵だな、と感じていた。

そしてプログラムは着々と進み懇親会へと進んでいく。声高らかに乾杯の音頭
が発声された。我が子のようにかわいがっているであろう200名の社員たちに
もみくちゃにされ満面の笑顔で着席した村上社長。そこで彼が吐露したのが、
冒頭の言葉である。

「孤独」
彼が長い間感じていた感情だ。

しかし、それは村上社長だけが感じる独自の感情ではない。それはあらゆる経
営者に訪れる心の霧だ。

経営者は孤独だ。
社員が、今日明日の仕事を見ている時に、社長は三年後に向け身の丈を超える
目標を示し社員へ発破をかける時がある。
課長が自分の部下一人だけのモチベーションを気にしている時に、全社員の幸
せを考え非情に見える決断を下さねばならない時もある。

つまり、見ている世界が違うのだ。
そして社長の意図は社員に間違った形で伝わってしまう。
社長はなぜそんなに焦っているのか、と。
社長はなぜあんなに厳しいのか、と。
社長はなぜこんなに小さなことに目くじらを立てて怒るのか、と。

そして社長は孤独になっていく。

しかし、社長はそれを表に出すことはできない。一人孤独と闘いながらも、明
るく大きな声で社員たちへ向け「おはよう！」と声をかけ続けるのである。


「でもね。今は違うんです」


村上社長は爽やかな笑顔で僕に告げた。


「僕には、頼もしい営業本部長がいる。頼りになる管理部の専務がいる。みん
　なを引っ張る営業課長がいる。もう孤独じゃない。一年前とは別な会社に生
　まれ変わったような素晴らしい組織がある」


そう言って自慢げに彼らを指さして僕に教えてくれたのだ。

僕は、我がフェイス総研の経営理念ＩＤＥＡ（イデア）の行動指針にこんな一
文があるのを思い出した。

●行動指針〜お客様との約束〜
私たちは経営者と従業員双方へ互いの本音を代弁し両者の心を一つにします。

僕たちフェイス総研のコンサルタントは、経営理念という言葉をつくるお手伝
いをするのではない。
理念を実践する人をつくる。幹部たちの決意をつくる。

そして、それは同時に社長を孤独から救い出すことにも繋がるのだ。なぜなら
ば、社長をとりまく経営幹部たちに社長と同じ視点や視座を与える。社長の立
場に立って考えることを求めるから。社長の気持ちを吐露してもらうと同時に、
社長に社員たちの気持ちをわかってもらうプロセスを踏むのだ。

つまりは、経営と現場の懸け橋をつくり、まさに経営トップと従業員の心を一
つにするのだ。

その題材として、きっかけとして理念を用いる。理念という言葉は、メインの
目的ではなく、むしろ副産物として扱われる。
それほどに我社のコンサルタントは、幹部とトップの信頼関係づくりにフォー
カスするのである。

トップと現場の心が一つになった時。
社長は孤独から解き放たれ、幹部たちは経営者へと脱皮する。
そして、それは僕たちコンサルタントが用無しになる瞬間でもある。

お客様が僕たちという学校から卒業していく。それは嬉しくもあリ、淋しくも
ある瞬間だ。
社長を孤独から救いだし、そして自分はひっそりと去っていく。
もしかしたら、コンサルタントとは孤独を社長から奪い去り、社長の代わりに
孤独を背負い込む因果な商売なのかもしれない。

そして、今日もコンサルタントは全国へ飛び散っていった。たくさんの社長の
孤独を代わりに背負うために。
僕は、せめて彼等コンサルタントたちの孤独を代わりに背負ってあげなくては
ならないな、と改めて気がついた。



株式会社フェイス総研　
代表取締役社長　小倉　広


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ソメノ編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
空を見上げると、ポツンと空に浮かぶ満月と沈みゆく太陽。追いつけ追い越せ
と長い間追っかけっこをしていた孤独な二つの天体が今日、“皆既日食”という
形で一つになります。いやぁ、いい話じゃないですか。世界中の民間信仰では
天災の前触れ等の不吉な予兆、という扱いを受けている事が多いようです。“
カイキニッショク”という語感からもホラー感が漂っていますね。という事で
好感度アップのために、キッチュなキャッチコピーをいくつか考えてみました。

　＝　ある日、月と太陽が空で一緒になった…　＝
　＝　おちこんだりもしたけれど、今日は皆既日食2009　＝
　＝　このへんな現象は悪石島でみれるのです。たぶん。　＝

なんだかスタジオジ○リを匂わせる仕上がりですが、不吉なイメージから一新
“夏の超大作”といった趣きになったと思いませんか？思いませんね。さて、
今日のコラムはとても清々しい話でしたね。人は自分の立場でしか物事を捉え
られません。役職についてから分かる事、社長になってから分かる事…これは
実際に経験してみる、もしくは訓練して養うしかないようです。我が社の研修
に「アポリア」という経営者の視点を養う画期的な研修があります。まずは
“孤独ハンター”である我が社のコンサルタントにご相談下さい。明日もお楽しみに〜
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