人と組織の悩みが嘘のように晴れるコラム100選

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人と組織の悩みコラム Vol.151『堀口部長(仮名)の執念』

配信日:2009年07月07日




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2009年7月7日号
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     人と組織の悩みが嘘のように晴れるコラム100選 

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◆ 堀口部長(仮名)の執念 ◆


昨日、あるお客様の「理念発表会」にゲストとして参加してきた。
400名の社員が集まるホテルの会場は圧巻の迫力であった。

サービス業である同社理念の中核となるミッション(存在意義)とは
「人と人との絆を紡ぐ」というもの。

社員とお客様、社員と地域社会、社員同士、そしてお客様同士の絆。昨年、50
周年を迎えた同社のこれまでの歩みを再解釈し、未来に向け定義し直すために
何十回と議論を重ねた。その言葉が「絆を紡ぐ」というものになったのだ。

この発表会で僕は来賓を代表としてスピーチをさせていただいた。
「理念をつくっただけでは会社は何も変わらない。お経を唱えても(理念の唱
和)お札を貼っても(理念の掲示)会社は変わらない。そうではなく理念を約
束と捉え、ここにいる400人がほんのちょっとずつでも理念を実行していく。
その積み重ねにより初めて会社が音を立てて変わっていく。それをするのは誰
でもない。ここにいる400人の皆さん1人ひとりなんだ」という話だ。

僕の目をじっと見返す400組の強いまなざし。純粋で素直で思いに満ちた瞳。
僕はこの会社がもっともっと成長していく姿が目に浮かんだ。そしてその思い
は、会の最後に締めのスピーチをしたプロジェクトリーダー堀口部長(仮名)
の話を聞いた時に確信に変わった。


「思えば、理念の見直しプロジェクトが起ち上がったのは、ある課長の一言が
 きっかけでした。その時私たちが議論していたのは『どうすればお客様が増
 えて売上が上がるか?』というものでした。当然のことながら、議論の方向
 は、接客をあげる、宣伝を増やす、といったオペレーションへと向かって行
 きました」

「しかし、ある課長がこう言った時に会議室がシーンと静まり返り、全員が深
 くうなずいたのです。その言葉とは『売上を増やすには、お店がお客様から
 愛されなくてはならない。お店がお客様から愛されるためには、私たちスタ
 ッフ自身がお店を、そして会社を大好きでなくてはならない』というもので
 した」

「課長は続けました。『僕たちの会社は世の中の役に立っているのだろうか?
 お客様から愛されているのだろうか?そこに迷いがあってはならない。今、
 僕たちに必要なのは社員1人ひとりが心の拠り所とすることができる、強い
 思いを持つことができる錦の御旗です。それがあればもっともっと頑張れる。
 それこそがお客様を増やす一番の方法なのではないでしょうか』というもの
 でした」


その言葉に強く共感した堀口部長はみんなの心をドキドキとさせる新しい理念
をみんなの参加型でつくりたい、と強く思ったという。それがあれば、全社員
の心が1つになる。いや、絶対につくらなくてはならない。そう彼は確信した
のだ。

そして、彼はコンサルタントである僕のもとにやって来た。お題目のような理
念やトップだけの理念では意味がない。トップと社員が同じくらいコミットで
きる、全社員の思いがこもった理念をつくるにはどうしたらいいだろうか?そ
ういう相談だった。僕はノウハウを惜しみなく伝えた。彼は上気した顔で帰っ
て行った。

しかしそこから彼の試練が始まる。ことは簡単に進まなかったのだ。売上を上
げるためにこそ理念が重要だ。その理論は経営陣の胸に響かなかったのだ。

役員たちは言った。「堀口君の言う通りだ。理念の重要性はよくわかる。しか
し、業績が厳しい今はそんな悠長なことをやっている場合ではないのだよ」と。

堀口部長は真正面からぶつかった。そうじゃない。業績が厳しいからこそ本質
的な心の拠り所が必要なんだ。理念こそが我が社に今一番必要なことなんだ。
熱く語る彼の言葉は、しかし経営陣によりはね返され続けた。

「中々わかってくれないんですよね…」悔しそうに語る彼の悩みを聞きながら
僕は彼を応援したい、と思った。しかし、僕の口をついて出た言葉はそれとは
正反対の厳しい内容だった。


「わかってくれない、と愚痴を言っているようじゃダメだね。堀口部長がそう
 やって役員や社長に矢印を向けているうちは、彼らの心は動かないよ」


えっ?そう来ますか!堀口部長は驚いた。てっきり僕が慰めてくれるものと思
っていたようだ。まさか自分が厳しく叱られるとは思ってもみなかったのだろ
う。


「トップがあなたの言葉に耳を貸さないのは、あなたがトップから信頼されて
 いないからだ。それを『トップがわかってくれない』と言っているうちは何
 も変わらない。そうではなく『堀口の言うことならば聞いてみようか』そう
 思われることが先じゃないか。そのためには、社長や役員たちから信頼され
 るような言動を取らなくてはならない。こんなところで愚痴を言っているよ
 うじゃあトップから信頼されなくても当然だね」


じっと下を向き、悔しそうに奥歯を噛みしめる堀口部長。その日から彼は変わ
った。それまではどこかで、「上がわかってくれない」という思いがあったと
いう。しかしそれからの彼は一切上司に関する愚痴を言わなくなった。わかっ
てくれないのではなく自分が力不足なのだ、と考えなおすようになったのであ
る。

そして彼はトップの信頼を築くことに集中し始めた。
トップの決定に対しては例え納得できないことがあったとしても、それが会社
のためになるのだ、と信じ、全力を尽くし始めたのである。

例えば、資金繰りに苦しむ社長の命令で無理な営業施策を打たなくてはならな
くなったとする。これまでの彼であれば、ついつい親しい周囲に愚痴を言って
しまっていたと言う。「上は現場が見えていない。これでは現場が疲弊してし
まう」と。

しかし、今の彼は違う。現場が文句を言ってきても彼はトップを守る。そして、
無理難題を実現するための知恵を絞る。「お客様に迷惑をかけずにやる方法は
ないだろうか?」課長たちを巻き込んで必死に解決策を見つけ出すのだ。

コストダウン、ボーナスカット、人員カット。ますます細っていく兵力と社員
たちのやる気を奪う施策の数々。「これじゃあ社員のモチベーションがもちま
せん」悲鳴に似た声があがった時も彼は決して経営者や人事のせいにしなかっ
た。


「ボーナスを支給できなくても、精神的報酬があるじゃないか。苦しくてもオ
 レたちには仲間がいるじゃないか。歯をくいしばって頑張ってくれているス
 タッフたちに感謝の気持ちを伝えることはできる。仲間のために頑張ってく
 れ、とお願いすることはできる。本社や経営に文句を言う前に現場でできる
 ことにまずは集中してくれ。頼む」


そうやって彼は苦しい現場を支え続けた。そしてスタッフたちはそれに応えた。

やがて長く苦しいトンネルに出口が見え始めた。苦しい中、堀口部長の陣頭指
揮により、業績が回復してきたのだ。一時は倒産するんじゃないか、という噂
が駆け巡るほどの危機に陥っていた同社が劇的なV字回復を遂げる。そして危
機を乗り越えることを通じて社員たちが一段とたくましくなった。堀口部長こ
そがその筆頭だ。


そんな時、堀口部長から電話がかかってきた。
「小倉さん、やりました!ついに経営からGOが出たんです!理念プロジェク
 トのスタートが役員会で承認されました!ぜひ手伝ってください!」


堀口部長の執念が実った瞬間だった。
全社員の思いが詰まった新しい理念をつくりたい。彼がそう思ってからプロジ
ェクトが実現するまでに、実に2年の月日が経っていた。

世界を変えるような大きな変革も、始まりはたったの1人だ。
意思の無い烏合の衆が集まったちいちいぱっぱの合議制からは何も生まれない。
熱い思いを持った1人の覚悟からしか、何も生まれることはないのだ。

そして本物の思いは次々と襲い来る障害によって、より一層炎の勢いを増す。
障害により消えてしまうことは決してない。
ちょっとやそっとの障害で消えしまう炎なんか所詮ニセモノだ。

様々な苦難を乗り越え、トップを動かし、全社を動かした堀口部長にとって、
この日は生涯忘れられない日となったことだろう。万感胸に迫りくるものがあ
っただろう。


「さすがだね、堀口君。素晴らしいスピーチだった」
堀口部長という素晴らしいパートナーと共に船を指揮し続けた艦長たる社長も、
彼を手放しで誉めたたえた。ありがとうございます、嬉しそうな堀口部長。

次に、彼は僕に握手を求めて来てくれた。無言で握り合う男同士のゴツゴツと
した掌。

そして、僕は最後の最後まで堀口部長に憎まれ口を叩いた。
「スピーチ、まあまあ良かったよ」

ニヤッと苦笑いをする堀口部長。無言で目配せを返してくれた。

同社にとって記念すべき再出発の日。まだまだ堀口部長と社長、役員たちの戦
いは続くだろう。しかしその先には明るい未来が待っている。

なぜならば、彼らには400人の強い味方がいるからだ。理念という旗のもと、
400人の心は熱く1つになっているのだから。


株式会社フェイス総研 
代表取締役社長 小倉 広



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ソメノ編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
好評につき第二弾!事例は物語で伝ようという事で、
『特攻の趙雲子龍』 〜 中国五千年の歴史から学ぶシリーズ Vol.2 〜

今から1800年前の中国にリーダシップの鏡、趙雲という人がいました。劉備
の会社に入社後、持ち前の強さ、賢さ、義理堅さを武器に営業先を飛び回り、
実績を上げていきます。やがて経営陣からの信頼を得、現場叩き上げの部長ク
ラスであるにも関わらず、創業メンバーで重役クラスの関羽、張飛らと並び
“五虎大将軍”の1人として讃えられました。ここで、趙雲を語る上ではずす
ことのできないエピソードをご紹介します。入社してから8年の月日が流れた
時、劉備社長がライバルの曹操社長に追いつめられる事件“長坂の戦い”が起
きます。全社員が悪戦苦闘する中、劉備は取り残された息子阿斗(後の二代目)
を見捨て、経営の再建を図るために後退を続けます。そんな中、趙雲はただ1
人敵陣を物ともせぬ勢いで突き進み、孤軍奮闘の末阿斗の救出に成功します。
この功績は劉備を初め、多くの人々に勇気と明るい未来への希望を与えました。

「子龍は1つ身これ胆なり(子龍は度胸の塊)」という言葉があります。1人の
信念や度胸が、皆に明るい未来をもたらす。趙雲は、このリーダーシップに役
職も立場も関係ないんだよ、と教えてくれているようですね。明日もお楽しみに〜
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