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「顧客の専門家」マインドリーディング入門
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【マインドリーディング入門】日本酒復活の日は来るか?
配信日:2011年02月24日
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「顧客の専門家」を目指そう!
マインドリーディング入門
2011年02月24日
No.823
Written by 松尾 順
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●日本酒復活の日は来るか?
お酒について言えば、昨年(2010年)は
「ハイボール(ウイスキー)」の年でしたね。
ハイボールブームが頂点に達し、
凋落を続けてきたウイスキーの消費量に
歯止めがかかりました。
さらに最近は、わざわざ作らなくても、
すぐに飲める「缶入りハイボール」が好調に売れており、
今年も引き続きハイボール人気が続きそうです。
そして、今年の注目株はおそらく「マッコリ」。
従来、韓国料理店など限られた場所でしか
飲めなかったマッコリですが、昨年、酒販店やネットで
気軽に買えるようになったおかげで、消費量が一気に
拡大しつつあります。
マッコリは日本ではある意味、「新しいお酒」ですね。
韓国では「労働者のお酒」というイメージが強いのですが、
日本では、マッコリの名前くらいは皆知っていても、
そこから連想されるイメージが希薄なのを逆手に取り、
「女性向けのおしゃれなお酒」
というブランドイメージの確立に成功しつつあります。
おかげで、女子を取り込みたい居酒屋等での扱いも
増えています。
しかも、業界大手のサントリーも3月22日に、
微炭酸の缶マッコリ「ソウルマッコリ」を掲げて
マッコリ市場に本格参入。
というわけで、今年、「マッコリブーム」が
起きる可能性は非常に高いのではないかと思います。
さてこんな中、相変わらずの消費低迷に苦しんでいるのが
日本酒です。
海外では、和食ブームとともに日本酒も大人気です。
「日本酒ブーム」とも呼べる状況であり、
日本酒の輸出は過去最高になった模様です。
しかし、日本国内では完全に「通」のためのお酒。
高品質・高価格のプレミアム系日本酒はそれなりに
売れているものの、日本酒全体の消費量の減少は
悲惨なものがあります。
実際、日本酒の国内消費量は、1995年度が126万キロ
リットル、2008年度は62万キロリットルと半減しています。
ここ数年も、引き続き減少しているのは間違いないでしょう。
さて、きちんと調査をしたわけではないので
「仮説」の領域を出ませんが、日本酒が抱えている問題は、
かってのウイスキーとほぼ同じと考えられます。
すなわち、以下の3つの問題点です。
(1)飲みにくい(ウイスキーほどでないにしても
アルコール度数高め)
(2)食事に合わない(和食には合うが、洋食にはNG)
(3)おじんのイメージ
ウイスキー業界では長年、ウイスキーの
「品質」や「味わい」を中心に訴求してきました。
しかし、それは、ウイスキーの既存飲用者にとっては
「当たり前」のことであり、一方で、若年層を中心とする
非飲用者には響かなかった。
このため、プレミアム系のお酒は根強い人気があったものの
ウイスキー市場全体の縮小をくい止めることはできなかったのです。
しかし、ハイボールは、炭酸で割ることによって、
飲みにくさを解消し、ビールや酎ハイと同様、
食事しながらゴクゴク飲めるお酒になりました。
また、ハイボール自体は昔からあったものの、
近年は「忘れられた存在」だったことが幸いし、
おじんくさいというイメージをひきずらなかった。
しかも、炭酸で割ることでジョッキ一杯当たりの
値段が酎ハイなみに安くなることも幸いしました。
ただ、忘れてはいけないのは、
今回のハイボールブームの仕掛け人、サントリーでは、
「ハイボール」という若年層にとって新しい飲み方を
提案をするだけでなく、流通対策、すなわち、ハイボール
の扱い店を増やすという地道なことも並行してやった点です。
つまり、ハイボールという商品開発だけでなく、
価格、プロモーション、流通をも含む、マーケティング
全方位的な取り組みを行なったのです。
このことが、これまでウイスキーを飲まなかった若年層を
中心とする大衆の心を掴み、全国的なハイボール人気の獲得
に成功したといえます。
日本酒は、このハイボールの成功事例に大いに学ばなければ
ならないと思います。
端的に言えば、日本酒も以下のような方向性で
マーケティングに取り組むべきということになるでしょう。
-------------------
・日本酒を飲まないマス(大衆)層を狙うこと
・ビールと同じ程度のアルコール度数低め(5−7%)で
飲みやすいこと
・食中酒として食事に合うこと
・おじんくさいイメージを払拭すること
・グラス一杯当たり、酎ハイ並みの安さであること
・居酒屋等での取り扱いを増やすこと
--------------------
上記に対する商品面での解決策が「日本酒ハイボール」か
どうかはわかりません。というか、いきなりそうした短絡的な
解決策に飛びつくべきではないでしょう。
根本のところから、ゼロベースで考えたほうが良いと
思います。ただ、日本酒復権のための基本的な枠組みは、
どうやら「ブルーオーシャン戦略」が使えそうですよ。
日本酒大好きな私(おじんですが)にとっては、
近い将来、本格的な日本酒ブームが巻き起こることを
切に願っています。
「ニューハイボールの秘密」
http://www.mindreading.jp/blog/archives/201001/2010-01-16T0932.html
「眞露(ジンロ)のブランド拡張」
http://www.mindreading.jp/blog/archives/201101/2011-01-18T1002.html
「ブルーオーシャン戦略の要諦」
http://www.mindreading.jp/blog/archives/200905/2009-05-19T1440.html
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