ダメ上司を見習え! 3分で分かる仕事が楽しくなる秘訣

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「ふーん。頑張らなきゃね」 周囲がもりあがっているのに、一人だけ冷めている上司

配信日:2011年02月21日

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前回は相手を尊重しない3人のダメ上司が登場しました。

我の強い上司っていますよね?
自分の意見を主張しない上司っていますよね?
相手の否定しかしない上司っていますよね?

様々なタイプの上司たちが話し合うことで、
なかなか前に進まない状況が生まれます。


大切なことは相手の意見を受け入れることだと思います。
意見を否定も肯定もせずありのまま受け入れて下さい。
これは非常に難しいことなのですが、
出来るようになると人間関係が楽になります。


さて、今回はどのような上司が登場するでしょうか?


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◇ ダメ上司を見習え! 3分で分かる仕事が楽しくなる秘訣 第85回
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このメルマガは上司と部下がおりなす物語を紹介します。

主人公である外村勝之が、様々な企業で働き、様々な上司と出会います。
いくつもの出逢いから外村は、自分が成長するためのヒントを得ていきます。

外村を支えるのは澤田康介。
澤田は外村と同じ立場、異なる立場にたって外村を支えていきます。

この2人が出会う上司は、良い面も悪い面も持った上司たちです。

この上司たちとのやりとりから

□部下から見た問題点
□部下として今どうすべきか
□自分が上司になった場合はどうしたらいいのか

の3つを学ぶことにします。


注意して頂きたいことがあります。

このメルマガは上司をバカにし、あざ笑うためのものではなく
上司を反面教師とし、将来の成長につなげるための物語であることです。



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◇ ケース: 「ふーん。頑張らなきゃね」 周囲がもりあがっているのに、一人だけ冷めている上司
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登場人物 
上司A(島田社長)
上司B(中村先輩)
部下A(外村)
部下B(澤田)
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ここ2,3年不況が続き、我がIT業界にもその影響が出始めている。
私の所属するのは、ホームページ構築をはじめとして、
ITを使ったコンサルティング業務を行っている。
ある企業と包括的な契約を行い、ホームページの構築、
見直しを行った上で、ウェブ上での営業戦略を立てるお手伝いをする。


わが社と契約するお客様の中で倒産する会社が増えてきたり、
不況のため広告の予算が削られたりで、
契約を解除されることが多くなった。


外村:「昨日、とうとうオートフレングループの社長から
契約を解除して欲しいといわれたよ」

澤田:「その会社って、車屋さんだっけ?」

外村:「うん。ネット上で車の販売が出来るように仕組み作って、
一時期は売上が伸びたらしいんだけど、エコカー補助金が始まってから、
中古車が売れなくなって、全然ダメらしいんだ」

澤田:「そうか。新車ばかり売れているけど、
中古車は売れてないんだ。オートフレンは閉めるの?」

外村:「つぶすことも考えているようだけど、
しばらくは事業を縮小してホソボソとやるってさ。
楽しいところだったから、もう一緒に仕事できなくなると寂しいよ」

澤田:「そうだね、俺の担当先で契約が解除されたところはないな」

外村:「そうか〜、俺のところも1社だけだから、まだましか」


1ヶ月に何社も解約が出るほどではないが、
以前に比べれば、その数が増えているように思えた。


そのような状況の中、島田社長から全社員にある号令が掛かった。


島田:「皆さん、ご存知の通り世の中は不況の真っ只中です。
皆さんもお客さんと仕事をする上で、その話はよく聞いていると思います。
わが社も不況のあおりを受けている会社の一つであります。
この数ヶ月、契約解除がチラホラ見受けられます。
わが社としても、お客様のために出来ることはしていきたいですが、
やはりそれも限られております。そのため契約先の減少がやむを得ず生じています。
そこで、契約先拡大をするために、全社員で頑張って欲しいと思っております」


契約解除したお客様の穴を埋めるべく、全社員で契約先拡大を行おうというものだ。
主に、現在の契約先に紹介をお願いしたり、飛び込みの営業も仕掛けたり、
新しい広告媒体を生み出したりしようということになった。

各個人で出来ることをするのはもちろんのこと、各グループ単位で戦略を考え、
実行して欲しいとのことだ。


外村:「不況なのは分かっていたけど、
自分の会社だけは違うって思っていたよ」

澤田:「俺も。他人事のように考えていたけど、
そうじゃないって今日の社長の話で気付いたよ」

外村:「何だか、怖いな。会社が潰れたら、俺達どうなるんだろう」

澤田:「そんなことを考えると怖いよ。まぁ、俺らで出来ることはしてみようぜ。
ある意味、これが自分をアピールするチャンスかもしれないよ」

外村:「そうだね。これで契約をたくさんとれれば、評価につながるよね。
よし、頑張ろう」


私と澤田さんは3年先輩の中村先輩と一緒にチームを組むことになった。
中村先輩は社長から一目を置かれている先輩で「仕事が出来る人」である。
私にとっては憧れの先輩で、いつもその言動を見習っている。


外村:「中村さんの担当先で、契約が切れたところはありますか?」

中村:「いいや、良いお客さんに恵まれているからか俺のところはないな」

外村:「へぇ、中村さんのところには大きい重要な仕事が回ってきますもんね。羨ましいですよ」

中村:「いや、俺は与えられた仕事を、キチンとこなしているだけだよ」

外村:「そういう謙虚なところも好きですわ。さすがっす!」


私たちは、中村先輩と今回の契約先拡大について話合うことにした。


外村:「それで、今回の契約先拡大をどうしますか?
うちらはどんなプランで行きますか?」

澤田:「中村さんのお客さんなら、新規の紹介をしてくれそうじゃないですか?」

中村:「そうだな」

外村:「まずは、既存のお客さんに一通りお願いしてみますか? 
澤田さんと僕の担当先にもお願いしてみます」

中村:「おう、そうしてくれるか」


何だか、中村先輩の様子がおかしい。
通常の業務の話なら、一生懸命に話をし、積極的にアドバイスをしてくれ、
私たちが思いつかないようなアイディアを与えてくれるのだが、
今回は積極性が感じられない。


外村:「一つは決定です。他にはありますか?」

中村:「そうだな。・・・。」

澤田:「DMは既にしているし、何かいつもと違う何かがしたいね」


外村:「うーん。思いつかない。どうですか、
中村さん、何か思いつきますか?」

中村:「すまん。思いつかないな」

外村:「そうですか。それじゃ、とりあえず、紹介をお願いして、
その効果を見た上で、また考えましょう」

澤田:「はい。頑張りましょう!」

中村:「そうだね、頑張らないといけないね」


中村先輩からは、全くやる気というものを感じられなかった。
いつも仕事に対して、真剣で、絶対に手を抜かない中村先輩しか知らない私は戸惑った。
どのように先輩と接してよいのか分からなかった。
契約先拡大について中村先輩はどのように思っているのだろうか。


この件について何度も相談したが、常に冷めているように思えた。
その他の業務に関しては、いつもと変わらない先輩がいる。
お客さんに対する態度もいつもと変わらない。


中村先輩は団体行動が苦手なのか、
それとも契約先拡大について何かしらの不満を持っているのか、
私には分からなかった。たまに積極的な姿勢を見せることはあったが、
ほとんどはあまり関わらないようにしているように思えた。


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□ 部下から見た問題点
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外村は、「ピンチをチャンスに」とやる気になり、熱くなっていました。
一方、中村先輩は、会社の雰囲気とは関係なく、冷めていました。

そのように温度差があると、互いに何を考えているのかわからなくなります。
互いの気持ちに共感が出来ないからです。

外村は、先輩が何を考えているかわかりません。
もしかしたら、中村先輩に自分のやる気を馬鹿にされているかもしれません。

疑心暗鬼、暗中模索、
外村は中村先輩と一緒に仕事をしづらいと感じています。


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□ 部下として今どうすべきか
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温度差を感じた時、3種類の対応があります。

・自分が相手の温度に合わせる
 例)外村も中村先輩と同じように冷めた態度になります。

・相手に自分の温度に合わせさせる
 例)中村先輩を説得し、発奮させ、やる気が出させます。

・温度差を放っておく
 例)中村先輩はそういう人で、自分とは関係ないと割り切ります。

どの対応でも、外村の悩みは消せるでしょう。
ただ、どの対応をとるにしても、まずやらなくてはならないことがあります。

それは「相手を知る」ということです。

温度差が不安に感じるのは、相手が自分と同じ気持ちではないからです。
共感が出来ません。
同じ気持ちではないなら、どんな気持ちなのか。
「自分の気持ちを分かってくれない!」と文句を言う前に、
相手の気持ちをまず知る必要があります。

「何を考えてるんですか?」「何でそんな冷めてるんですか?」
そんな直球の質問でもよいでしょう。

「あの人ってどんな人?」「何であんなに冷めてるの?」
と周囲に質問してもよいかもしれません。

どうやって相手の本音を引き出すのか。
その駆け引きもまた面白いのではないでしょうか。


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□ 自分が上司になった場合にどうすべきか
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自分がどのように仕事を進めたいのか。
それは部下と話し合っておくべきです。

積極的にガツガツ進めたい。
冷静に淡々と進めたい。
楽観的に楽しく進めたい。
時間に余裕を持って進めたい。

などなど、自分のスタンスがあると思います。
それをきちんと部下にも言ってあげてください。

「俺はこうしたい」

それを一言いうだけで、部下の不安は解消されます。
そして、上司の方針に従って行動してくれるようになるのではないでしょうか。


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