中国株投資レッスン

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米国景気の減速、株価暴落が貿易戦争の結末だ!!

配信日:2018年09月13日

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                  2018年9月13日 第543号

     「中国株投資レッスン」

     TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
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     目次
     1.10月18日、日本株、中国株セミナー開催のお知らせ!!
     2. 米国景気の減速、株価暴落が貿易戦争の結末だ!!
     3. 『中国株二季報 2018年夏秋号』の販売開始!!
    

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2. 米国景気の減速、株価暴落が貿易戦争の結末だ!!
 米中貿易戦争は今週大きな山場を迎えることになる。中国からの輸入品
2000億ドルに対する追加関税実施について、9月6日に意見徴収が終わる見込み
である。その後、実際に実施されるかどうか決定されるわけだが、
ブルームバーグ・ニュースは30日、“トランプ大統領は発動させる意向だ”
と側近に伝えたと報道している。

 そうなれば、中国側はすぐに報復措置を取るだろう。それは600億ドルの
追加関税措置に加え、人民元安の容認といった実質的な人民元安誘導や、
国内への投資制限など、より総合的な措置が取られることになる。中国の能力を
甘く見るのは危険だ。貿易戦争の激化は中国だけが影響を受けるはずもなく、
アメリカや世界経済にも悪影響が及ぶことになる。

 2000億ドルの追加関税に関して、公聴会が8月20〜27日の日程で開かれた。
半導体、アパレル、バッグ、家具、照明、自転車、タイヤ、化学、プラスティック、
食品加工など幅広い業界から360名弱が参加し、反対意見が述べられた。

 「世界全体がグローバルなサプライチェーンで結ばれ、分業が進む中で、中国は
そのサプライチェーンの重要な節となっており、中間品貿易では世界最大の
生産国となっている。中国は長年、豊富な製造業の経験を積み重ねており、
効率の高い成熟したサプライチェーンを作り上げている。生産ラインを中国から
移転するのは非常に困難で、アメリカに戻すなどとても無理である・・・」

 追加関税がかかれば、まずその大部分は価格に転嫁されることになるだろう。
その後、調達先が変わり、グローバルな生産構造に変化が生じることになるのだが、
それには時間がかかる。特に後者はそう簡単ではない。だから、消費者から見れば
これは増税措置に等しい。

 貿易戦争には二重の衝撃がある。一つはグローバルなサプライチェーンが
傷つけられることであり、もう一つは輸出市場が傷つけられることである。

 ボーイング社を例に挙げると、同社は2013年、1000機目の航空機を中国に
納入したが、これには40年の歳月がかかった。しかし、更に1000機を納入するのに
わずか5年しかかからなかった。ボーイング社は長時間をかけて中国ビジネスを
展開し、中国の経済水準が上がり、同社にとってようやく中国ビジネスが大きな
収益をもたらすようになったところである。また、ボーイング社は中国企業と多層的な
パートナーシップ関係を深めている。アメリカ国内で製造する航空機に関して
大量の部品が中国から輸入されており、中国商飛、中航工業とは合弁事業も
行っている。

 上海近郊に位置する舟山で大型の合弁工場を建設中であり、中国に対して
長期投資を行っている。ボーイング社にとって、中国は世界で最も重要な市場の
一つである。貿易戦争はボーイング社をはじめ、自動車、金融など、アメリカの
重要産業の海外展開を妨害することになる。

 そもそも、トランプ大統領は一体、誰を代表しているのだろうか?アメリカ第一主義は
アメリカ国民すべてにとって第一であるべきだが、一部の勢力にとってはむしろ
最悪である。

 実際、トランプ大統領と衝突する組織は多い。中でもマスコミ、グローバル企業、
ハイテク企業との対立は特に激しい。貿易問題についても、足元で
北米自由貿易協定の再交渉を進めており、メキシコに対しては見直しを認めさせたが、
カナダとは交渉がもつれている。

 トランプ政権は、中国のハイテク発展戦略の大方針を示した製造2025を問題視
しているが、中国の覇権台頭だけを警戒しているわけではない。中国包囲網を
作ることが外交上の大きな目的となっていないことから、それは明らかである。

 現状ではっきりといえることは、中間選挙で勝つこと、もう一期大統領を続けることが
大きな目的であり、それ以外のことは意に介さないという風にしか見えない。
結果的には、国際化、自由化の恩恵を得ることのできなかった中西部を中心とした
白人層の利益を代表しているだけである。

 今、検索エンジンの公正性についてトランプ大統領から激しく批判されている
グーグルにしても、税金逃れをしていると批判されているアマゾン・ドット・コムにしても、
フェイスブック、アップルにしても、こうした企業はすべて大きく国際化しており、
たくさんの中国人が働いている。彼らからしてみれば、能力さえあれば、人種、
国籍などは関係ない。

 “人間は自分のやりたいことをやればよい。より自由に生きるべきだ。そこには国境も
ないし、人種の違いもない。やる気がありさえすれば、一緒に協力していける。”
こうした考えを持つ人たちには、もはや国家という概念を超えており、一つの
世界の住人である。

 アメリカの有名大学では、世界各国から優秀な人材を集めている。中国、インド、
韓国などからたくさんの留学生が有名大学に進学し、ある者はアメリカに残り、
ある者は本国に帰り、イノベーションのけん引役となっている。

 中国人留学生に関しては、もはや扇情的なナショナリズムなどは持っていない。
あるのは自分個人の成功に対する強い目的意識である。

 アメリカも、中国も、経済発展の先端部分は、国際化、自由化が進んでいる。特に、
先端産業部分では、米中間の協力関係は、人的なつながり、金融面での
つながりにおいて非常に密接である。こうした協力関係は、今後深化することは
あっても、後退することはないだろう。

 トランプ大統領が国家権力に基づいて、こうした社会の大きな流れである国際化、
自由化を止めようとしても、一時的に勢いを止めることはできても、長期的に
逆戻りすることはできない。中国だけではなく、アメリカ、世界経済の停滞を経て、
再び国際化、自由化の流れは息を吹き返すだろう。

 トランプ大統領のアメリカ第一主義は、経済のリセッション、あるいは株価の暴落を
以て終るだろう。
(9月3日発行の有料メルマガから一部抜粋)

【中国への大規模な追加関税措置は自殺行為!!】
 2017年におけるアメリカの貿易量(輸出+輸入)をみると、中国が全体の
16%でトップ、次いで、カナダが15%で、以下、メキシコ14%、日本5%、
ドイツ4%と続く。米中の経済上の結びつきは、日米と比べ圧倒的に深い。

 貿易赤字額をみると、中国が3752億ドルで全体の47%に相当する。比率だけ
を順に示すと、メキシコ9%、日本9%、ドイツ8%、ベトナム5%となる。
中国の赤字額が他国を圧倒している。

 輸入比率も合わせて示しておくと、中国22%、メキシコ13%、カナダ13%、
日本6%、ドイツ5%である。

 もし、アメリカが貿易赤字を削減したいのなら、圧倒的な赤字額を記録
している中国を集中的に攻めるべきであろう。たとえば、日本の赤字額は
第3位とはいえ、中国の18%に過ぎない。いくら日本を攻めてそれがうまく
いったとしても、中国の赤字が減らなければ焼け石に水である・・・。

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3.『中国株二季報 2018年夏秋号』の販売開始!!
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