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18/06/27がんばれ社長!今日のポイント 「出版デビュー秘話」

配信日:2018年06月27日

18/6/27がんばれ社長!今日のポイント 「出版デビュー秘話」
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  経営者用メールマガジン  『がんばれ社長!今日のポイント』(従来版)
 
  作者: 武沢 信行  2018年6月27日号 VOL.4349 購読者:22,467名

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『出版デビュー秘話』


●2002年の今ごろ、出版社の女性編集者 S さんと都内のホテルで初め
てお目にかかった。私のメルマガを日ごろからチェックしておられた
ようで、「武沢さんの原稿を本にしたい」とおっしゃる。

●その半年前、同様のオファーを別の出版社からいただいた時には、
「印税は8%、著者購入分が1000冊」というのが条件だった。
そのときは破談になっている。今回も同じような話なのだろうか。

カフェでこんな会話をした。

武沢:私の原稿が本になるのですか?
S:はい、なります。
武:編集会議は通す必要があるのでしょ?
S:内諾を得てありますから通らないなんてことはありません。
武:条件は?
S:印税は8%、増刷分は10%です。初版は5000部の予定です。
武:著者購入は条件に入っていますか?
S:いえ、その必要はありません。
武:実際問題、売れるのですか?
S:はい、売ってみせます。
武:私は何をすればいいですか?
S:9月末日までに原稿を仕上げていただきたいです。
  タイトルは『経営の教科書』でいきたいと思っています。
武:わかりました。やってみます。

小一時間のミーティングはテンポ良くすすんだ。

●メルマガとは違って本にするのは大変な作業だった。今のように優
れたライティングソフトがない時代。ワードや一太郎の編集機能をつ
かえば構想をしっかり練られるのだろうが、使い方がわからない。
エディター1本で220ページ分の原稿作りに挑戦した。

●実際には、メルマガは2000〜3000文字なので、超短編小説のよう
なもの。初めて長編小説に挑むようなものである。

結局、脱稿したのは当初予定よりひと月以上遅れてしまった。書店に
並ぶ日の10日前まで原稿に手を入れていたのを思い出す。
その日は私が目黒で講演しているのを聞きつけた S さんが講演会場に
現れた。
講演中に S さんの姿を見た私は「今日こそ逃げられない」と思った。
講演会終了後、ドトールに缶詰めになって23時過ぎに原稿データを彼
女に手渡した。「あとは私どもの仕事ですが、武沢さんもメルマガで
のプッシュをお願いします」と S さん。

●私にとっては女神のような編集者だった S さんは今、結婚して家事
に専念されているそうだ。

気になっていたことがあったのでそのとき聞いてみた。
「私はメルマガを通して無料でメッセージを配信しています。その気
になればバックナンバーをホームページで読むこともできる。
なのに、同じ作者が書いた同じ主旨の原稿を本屋で買ってくれる人が
あらわれるものですかね?」

●今でこそ、メルマガ作家が本を出すなんてことは当たり前だが、こ
の当時、ほとんど事例がなかった。
出版社としても初めての試みだったはずだ。にもかかわらず S さんは
時代を読み切っているかのような名言を吐いた。

「レコードを聞いた人はライブに行きます。気に入ったアーチストの
ライブには何度も足を運びます。『坊っちゃん』を読めば、次は『猫』
も読みたくなります」

●本の発売日がきた。
沖縄での出版記念講演のあと、名古屋でも出版記念セミナーを開いた。
そこには出版社が花輪の提供をしてくれただけでなく、Y 社長自ら会
場にお越しいただいた。
そしてこんなスピーチをされた。

「一般的な著者の方は、ご自分の本をあまりアピールしたがらないの
ですが、武沢さんは違います。メルマガでがんがん書かれるので、今
朝アマゾンで品切れを起こしてしまい、あわてて全国の書店の在庫を
かきあつめているのですが、書店も販売が好調なので増刷することが
さきほど決まったところです」
会場から拍手が起こり、閉会後、旧知の経営者が私を胴上げしてくれ
た。

●翌週、東京で S さんと祝杯をあげたとき、彼女は謙虚にこう言った。
「私にとっても久しぶりのスマッシュヒットになりました。おそらく
今後、たくさんの執筆依頼が舞い込むかと思います。当社で武沢さん
を拘束できるとは思っていませんが、せめてもう一冊、来年もうちか
ら出させてください」

●それが二冊目の本『朝10分 熱い経営実現シート』になった。
二冊目はかなり上達し、思い通りの原稿を期限内に書き上げることが
できて S さんに迷惑をかけることはなかった。こちらも増刷となった。
一部の会社では朝礼や社員教育に使って下さったと聞く。
ある上場企業(渋谷のネットベンチャー)の朝礼でこの本が使われて
いる現場を見学したこともある。

●本を出すということが長年の夢だった私にとって、この2002年の思
い出は特別なものとなった。

7冊目の本が来月にでる。
和僑会を起ち上げた筒井修ファウンダーと和僑会の初期からのメンバ
ー白川博史先生との共著で『和僑会を起ち上げた男たち』(仮題)と
いう。アジアの息吹を感じ取っていただけたら幸いである。


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【編集後記】

◆昨日のオクゴエアカデミーの体験会・説明会、面白かったです。
迷っておられる方には是非、おすすめします。


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